公約の「食料品消費税0%」は、 なぜ「1%案」になったのか?
選挙公約、提出法案、閣議決定を一次資料で追います。
最終更新:2026年9月18日
まず、現在地
食料品1%は、まだ成立済みではありません
政府は2026年9月15日、飲食料品の消費税率を 2027年4月から2年間、1%へ引き下げる改正案を 閣議決定しました。
国税庁の資料には、今後、法案が国会へ提出され、 審議を経て可決・成立した場合の内容であると 明記されています。
国税庁の資料を確認する →WHAT CHANGED?
0%公約から1%案まで
「公約を撤回した」「議員が反対した」と すぐに結論付ける前に、どの段階で何が示されたのかを 順番に確認します。
1 選挙公約
2年間限定の食料品消費税0%
国会会議録では、高市総理の選挙公約の目玉として、 2年間限定の食料品消費税0%が取り上げられています。
2 国会提出法案
食料品を一時的に0%とする法案
第219回国会では、飲食料品の消費税率を 一時的に0%へ引き下げ、終了後に給付付き税額控除を 導入する内容の法案が提出されました。
衆議院の法案要綱を確認する →3 2026年9月の閣議決定
2027年4月から2年間、食料品1%案
0%ではなく、国・地方を合わせて1%とする 改正案が示されました。開始時期や実施期間も、 以前の0%法案とは異なります。
4 現在
国会提出・審議・採決はこれから
現段階では改正案です。誰が賛成・反対したかは、 実際の法案と採決を確認してから判断する必要があります。
この記事で確認すること
- ・消費税は、何を目的に導入されたのか
- ・3%から10%まで、いつ税率が変わったのか
- ・0%法案と1%案は、どこが違うのか
- ・誰が、どの段階で何を決めたのか
- ・登録議員は、本人として何を説明しているのか
BASIC KNOWLEDGE
そもそも消費税とは?
消費税は、商品やサービスの消費に対して広くかかる税金です。 税制上は、税を負担する人と国へ納める人が異なる 「間接税」に分類されています。
消費税はこちら
間接税
税を負担する人と、国へ申告・納付する人が異なる税です。 消費税では、消費者が価格を通じて負担し、 事業者が申告して国へ納める仕組みと説明されています。
納める人:事業者
比較すると
直接税
税を負担する人と、国へ納める人が原則として同じ税です。 所得税は所得を得た本人、法人税は利益を得た法人が 納税義務を負います。
基準:所得や法人の利益など
制度上の分類と、実際の負担の現れ方は分けて確認する
消費税は制度上「間接税」に分類されています。一方で、 価格へ十分に転嫁できない場合など、事業者が実質的に負担する 場面があるという議論もあります。「直接税である」と断定せず、 制度上の分類と現実の影響を分けて確認する必要があります。
何にかかる?
商品やサービス
国内で行われる商品の販売やサービスの提供などに、 原則として課税されます。
誰が負担する?
消費者が負担し、事業者が納付
消費者が商品価格と一緒に負担し、事業者が受け取った税額から 仕入れ時の税額を差し引いて納めます。
政府が説明する目的
社会保障を支える安定財源
政府は、少子高齢化が進む中で社会保障を安定的に支える 財源の一つと説明しています。
消費税が国へ届くまで
仕入れ・販売・納税の流れ
標準税率10%の簡略例
仕入先から商品を仕入れる
店が660円を支払う
商品価格:600円
消費税:60円
店が消費者へ販売する
消費者が1,100円を支払う
商品価格:1,000円
消費税:100円
店が申告して国へ納付する
この例では40円を納付
− 仕入時の税60円
= 納付税額40円
利益ではなく、売上と仕入れに含まれる消費税額から計算
消費税の計算と会社の利益計算は異なります。そのため、 経費や人件費などによって事業全体が赤字でも、 消費税の納付額が発生する場合があります。 実際の計算には軽減税率、非課税取引、簡易課税なども関係します。
「導入目的」と「実際の影響」は分けて考える
政府が説明する目的とは別に、家計への負担、景気への影響、 所得が低い人ほど負担感が大きくなりやすい点などについて、 政策上の議論があります。
TAX ARREARS
消費税の滞納は、どのくらい?
国税庁によると、令和7年度に新しく発生した国税の滞納額は 9,935億円でした。このうち、国税分の消費税は5,172億円で、 全体の約52%を占めています。
令和7年度・新規発生滞納額
国税分の金額。地方消費税は含みません。
国税全体
9,935億円
うち消費税
5,172億円
新しく発生した消費税の滞納
5,172億円
令和7年度中に新たに滞納となった国税分の消費税です。
年度末に残っている消費税の滞納
3,893億円
整理・徴収を進めた後も、年度末時点で残っている金額です。
赤字でも、消費税の納付が発生する場合があります
消費税は、会社の最終的な利益に対して計算する法人税とは 仕組みが異なります。売上時の消費税額から、仕入れなどで 支払った消費税額を差し引いた結果、事業全体が赤字でも 納付額が残る場合があります。
ただし、国税庁の滞納統計は個々の滞納理由までは示していません。 そのため、5,172億円すべてが赤字事業者によるものとは判断できません。
TAX RATE HISTORY
消費税率は、いつ変わった?
消費税は1989年に3%で導入され、その後5%、8%、10%へ 引き上げられてきました。
消費税率の推移
3% → 10%
1989年
導入
1997年
引上げ
2014年
引上げ
2019年
標準税率
30年間で、標準税率は3%から10%へ
2019年には標準税率が10%になり、飲食料品などには 8%の軽減税率が導入されました。
誰が決めて、誰が実施した?
税率変更は、法律を成立させた政権と、 実際に施行した政権が異なる場合があります。
1989年 3%導入
竹下内閣決定
竹下内閣
1988年に消費税法が成立
実施
竹下内閣
1989年4月に3%で導入
1997年 5%へ
別の政権決定
村山内閣
1994年に5%への引上げを含む法律が成立
実施
橋本内閣
1997年4月に5%へ引上げ
2014年 8%へ
別の政権法律成立
野田内閣
2012年に8%・10%への引上げを定めた法律が成立
実施判断・施行
安倍内閣
2013年に実施を決定し、2014年4月に8%へ
2019年 10%へ
延期後に実施法律成立
野田内閣
2012年に10%への引上げを定めた法律が成立
延期・施行
安倍内閣
実施時期を2度延期し、2019年10月に10%へ
「誰が増税したか」は、一人だけでは説明できません
法律を提出した政府、国会で賛成した議員、 施行を判断した政府がそれぞれ存在します。 「決定」「採決」「延期」「施行」を分けて見る必要があります。
PLAN COMPARISON
「0%法案」と「1%案」は何が違う?
どちらも飲食料品の消費税率を一時的に引き下げる内容ですが、 税率、実施時期、国会での段階が異なります。
国会提出済み
0%飲食料品の消費税0%法案
- 税率
- 飲食料品を0%
- 予定期間
- 2026年10月1日から2027年9月30日まで
- 延長
- 経済状況などを踏まえ、2028年9月30日まで 延長できる内容
- その後の制度
- 給付付き税額控除の導入を検討
- 現在の段階
- 第219回国会に法律案として提出
閣議決定された改正案
1%飲食料品の消費税1%案
- 税率
- 飲食料品を1%
- 予定期間
- 2027年4月1日から2029年3月31日まで
- 対象
- 現在8%の対象となっている飲食料品
- 新聞の税率
- 定期購読の新聞は8%のまま
- 現在の段階
- 2026年9月15日に大綱を閣議決定。 法案の提出・審議・採決はこれから
最も重要な違い
0%法案は国会に提出された法律案。 1%案は閣議決定された大綱で、まだ成立した法律ではありません。
そのため、現時点で「食料品の消費税が1%になることが 決まった」とは言えません。今後提出される法案の内容と、 国会での審議・採決を確認する必要があります。
DECISION PROCESS
誰が、どの段階で何を決めた?
「公約に書いた」「法案を提出した」「政府が方針を決めた」 「国会で賛成した」は、それぞれ意味が異なります。 発言だけでなく、決定の段階を分けて確認します。
選挙公約
政党や候補者が、有権者に方針を示す
公約は選挙時の約束や政策方針です。 公約に掲げられただけでは、法律や税率は変わりません。
法案提出
議員または政府が、国会へ具体案を出す
今回の0%法案は、国会へ提出された法律案です。 ただし、提出された時点では成立した法律ではありません。
閣議決定
内閣が、政府としての方針を決める
1%案は、内閣が大綱として決定した改正案です。 政府としての方針ですが、国会の議決を経た法律ではありません。
国会審議・採決
衆議院と参議院が、法案を審議して採決する
各議員が実際に賛成・反対したかを確認できるのは、 原則として法案と採決結果が明らかになった段階です。 可決・成立後に、施行日を迎えて制度が実施されます。
現時点では「反対した議員の人数」を確定できません
1%案に関する法案の国会採決がまだ行われていないため、 登録議員のうち何人が0%に賛成し、何人が1%に賛成したかを、 採決結果として数えることはできません。
同じ政党に所属しているという理由だけで、 個々の議員を一律に賛成・反対へ分類することもしません。 本人の公約、公式発言、法案提出への参加、採決行動を それぞれ確認して記録します。
「有権者の目」で追跡する内容
- ・選挙時にどのような公約を掲げたか
- ・0%法案の提出に参加したか
- ・1%案について本人が説明しているか
- ・法案審議でどのような発言をしたか
- ・最終的な採決で賛成・反対のどちらを選んだか
POLITICIAN CHECK
登録議員は、本人として何を説明している?
政党の公約と、議員本人の公約・発言・行動は分けて確認します。 所属政党だけを根拠に、個人の立場を決めることはしません。
現在の確認状況
2件の公式情報を確認しました
議員本人の公式サイトや公式発言で確認できた情報だけを 掲載しています。所属政党だけを根拠にした判定は行いません。
G0028
安藤 たかお
公式サイトで、高市総理が食料品に限り2年間の消費税ゼロを実施する方針を示したことを紹介し、「第二次高市内閣をささえ、頑張ります」と表明した。
賛成として確認するもの
- ・本人の公約に「食料品の消費税0%」と明記
- ・本人が0%法案の提出者・賛同者になっている
- ・公式発言で0%への賛成を明確に説明
- ・法案の採決で賛成している
反対・変更として確認するもの
- ・本人が0%案への反対を明確に説明
- ・0%とは異なる税率や制度を支持
- ・以前の公約を変更した理由を本人が説明
- ・法案の採決で反対している
「確認できない」も一つの結果として表示します
公式な発言や行動が確認できない場合は、 賛成・反対を推測せず「本人の説明を確認できず」と表示します。 発言が見つかった場合も、確認した日付と出典を一緒に記録します。
今後の更新
公式資料の確認が完了した議員から、 公約・発言・法案提出・採決を個別に掲載します。
その際は「0%に賛成」「1%案を支持」「別の制度を提案」 「説明を確認できず」など、具体的な内容で分類します。
SOURCES
出典・確認資料
この記事は、国会・国税庁・財務省などが公開している 一次資料を基に作成しています。
UPDATE HISTORY
更新履歴
2026年9月18日
初版作成。0%法案、1%改正案、消費税率の歴史、 意思決定の段階を一次資料から整理しました。
法案や政府方針は、今後の審議によって変更される可能性があります。 新しい公式資料を確認した場合は、確認日と変更内容を追記します。
